記事一覧

圧着端子の選び方 (丸形・先開形)


この記事は、広告を含む場合があります。

オフグリッド・ソーラー発電向けに、圧着端子や工具の記事を書いてきましたが、肝心の圧着端子の選び方がまだだったので書いておきます。

適切な圧着端子を使用することで、安全性やメンテナンス性の向上のほか、見た目もかっこよく仕上がります。

さっそく、圧着端子を大まかに分けると、次のようになります。

圧着端子の分類

圧着方法と形状、絶縁被覆の有無などで分けられます。

上の図のように、圧着端子にはオープンバレル端子もありますが、ここではお話しません。

クローズドバレルとオープンバレル端子

左がクローズドバレル端子、右がオープンバレル端子。圧着箇所であるバレル (筒状の部分) に違いがあります。

また、この記事は2回に分けます。その前半となる今回は丸形と先開 (さきびらき) 形の圧着端子のお話をします。次回は、棒形と平形の圧着端子のお話です。

各種の圧着端子

左から、丸形、先開形、棒形、平形 (メス・オス)です。

圧着端子の名前

圧着端子の名前は、適合する電線のサイズと、 (した) 部 (ネジをとめる部分) の形状を表しています。

圧着端子

裸圧着端子R5.5-5。

上の写真の端子は “R5.5-5” です。名前は、端子本体やパッケージに記載されています。

丸形も先開形もほぼ同じルールで名付けられます。

圧着端子の名前のルール.

舌部の形状 バレルのサイズ ネジ用の穴のサイズ
丸形 R 5.5
- 5
先開形 YまたはF 5.5
- 5

“R” は “Round”(丸形) を表します。

先開形はメーカーによって、“F” や “Y” だったりします。(形が食器の フォーク (Fork)や、“Y” に似ていることから)

また、アルファベットがバレルサイズのあとにくることもあります。

圧着端子は、次の手順で絞り込むとよいです。

  1. 接続箇所がネジ式か差し込み式か
  2. 圧着する電線の太さの合計
  3. ネジの呼び
  4. 丸形か先開形か
  5. 裸端子か絶縁被覆付きか

ややこしいので、ひとつずつ確認していきます。

1. 接続箇所がネジ式か差し込み式か

まず、端子を取り付ける箇所 (端子台やバッテリーターミナルなど) がネジ式か差し込み式かを確認します。

ネジ式の器具

ネジ式の例。

バイク用バッテリーの端子

バイク用のバッテリーは、ネジ式も差し込み式もあります。

ネジ式であれば、この記事で紹介する丸形か先開形の圧着端子を選びます。

ネジ式でなければ、次回に紹介する棒形か平形となります。

  • 接続箇所がネジ式なら、丸形か先開形
  • 差し込み式なら、棒形か平形

2. 電線の太さの合計

圧着する電線の導体の太さの合計 (以下、合計サイズ) によって、使用する端子を選びます。

※導体:
電線の、電流が流れる部分。通常は銅線を用います。

A. 電線が1本だけのケース

電線が1本だけであれば、その電線の断面積にあった端子を選びます。

ただし、電線の導体が単線の場合は、断面積 (mm2) への換算が必要です。

※単線:
導体が1本。太さは、直径 (mm) で表します。

断面積は、円の面積 (π × r2) で求められます。太さは直径表記、計算は半径であることに注意してください。

計算がめんどくさい人のために、換算表を用意しました。

太さと断面積の換算.

単線の太さ (直径) 断面積
0.8mm 0.502mm2
1.0mm 0.785mm2
1.2mm 1.13mm2
1.6mm 2.01mm2
2.0mm 3.14mm2
2.6mm 5.31mm2
3.2mm 8.04mm2

B. 電線が複数本のケース

複数本の電線を圧着

タコみたいでかっこよくはないですが、このように複数本をまとめて圧着もできます。

圧着する電線が複数本のときは、その合計サイズを計算します。合計ですから、断面積に本数をかけて求めます。

単線なら、前述の方法で断面積に換算してからです。

ただし、単線と () り線の圧着や、素線 (そせん) の太さが大きく違う撚り線どうしの圧着は、断線の原因となります。おおむね、細いほうの導体 (撚り線なら素線) が、太いほうの50%以上ならよいとされています。

撚り線 (よりせん):
複数の細い導体 (素線) を撚り合わせた構造の導体。太さは、断面積 (mm2) で表します。
素線 (そせん):
撚り線を構成する細い導体。

C. 圧着端子のバレルサイズを選ぶ

電線の合計サイズがわかったら、おのずと圧着端子のバレルのサイズも決まります。端子名の左側の数字です。

主なバレルサイズと電線抱合範囲.

バレルのサイズ 電線抱合範囲 (mm2)
1.25 0.25〜1.65
2 1.04〜2.63
3.5 2.63〜4.6
5.5 2.63〜6.64
8 6.64〜10.52
14 10.52〜16.78
22 16.78〜26.66
38 26.66〜42.42
60 42.42〜60.57
70 60.57〜76.28
80 76.28〜96.3
100 96.3〜117.2
150 117.2〜152.05
180 152.05〜192.6
200 192.6〜242.27
325 242.27〜325.0

メーカーによっては、0.3,0.5,0.75,250mm2用というのも出しています。ちょっと特殊なため、ホームセンターに売っていないことが多いです 。

また、圧着できる単線のサイズは製品によって違いますので、仕様を確認してください。

  • 電線の断面積 (mm2) を確認
  • 単線も断面積に換算
  • 電線が複数本なら、合計サイズを計算
  • 電線抱合範囲を確認

3. ネジの呼び

次は、端子台などのネジのサイズ (呼び) を確認します。

例えば、呼びが “M5” なら、ネジの太さは約5mmです。端子のネジ穴も5mm用のものを選びます。これは、端子名の右側の数字です。

ネジの太さのめやす.

用途 呼びのめやす
端子台 M3, M3.5, M4, M5, M6, M8, M10, M12, M14, M16
バッテリーターミナル M6, M8, M10
バッテリー
(バイク用)
M5, M6
リレー M3.5, M4
ブレーカー M5, M8, M12

電線が太くなると、おおむね端子台のネジも大きいものになります。

A. スリムタイプ端子台のケース

最近は、機器の小型化に伴って、スリムタイプの端子台が出てきています。スリムタイプは、端子台の各極の幅が狭く、通常の圧着端子では入らないことがあります。

その場合は、圧着端子の名前の最後に “S” がついたものを選びます。これは、通常よりも舌部の幅が小さい製品です。

圧着端子の形状

R1.25-3とR1.25-3S。

一方で、 接触する面積が小さいことを意味しますので、発熱や電力の損失は大きくなります。通常の端子が入るなら、通常のを選びましょう。

また、“S” 以外のアルファベットがついた製品の特徴は、メーカーによって違いますので、寸法などの仕様を確認してください。

これで、端子のサイズが決まりました。電線の合計サイズと、ネジ径をメモするとよいです。

  • 端子台などのネジのサイズ (呼び) を確認
  • ネジの呼びは、ネジの直径 (mm) とほぼ同じ
  • ネジに合う端子を選ぶ

4. 丸形か先開形か

次は、端子の舌部の形状です。舌部の形状は、丸形と先開形に大きく分けられます。

基本は丸形を使いますが、制御・信号系やアース線には先開形も選べます。

それぞれの特徴です。

A. 丸形の特徴

  • 通常品は1.25〜325mm2のラインナップ
  • メーカーによっては0.3,0.5,0.75mm2もあり (入手難)
  • JIS適合品あり

B. 先開形の特徴

  • 通常品は1.25,2,3.5,5.5mm2
  • メーカーによっては0.3,0.5,0.75,8,14mm2もあり (入手難)

先開形は、ネジを緩めるだけで着脱できる反面、自然に脱落する可能性があります。

アース線を留める接地端子には、先開形しか使えない製品があります。

  • 丸形は、主に1.25〜325mm2のラインナップ
  • 先開形は、主に1.25〜5.5mm2のラインナップ
  • 電源系 (大電流・常時) は丸形がよい
  • 先開形は、ネジを緩めるだけで着脱できる
  • 制御・信号系 (小電流) は先開形でもよい

5. 裸端子か絶縁被覆付きか

最後は、絶縁被覆の有無です。丸形にも先開形にも、それぞれ裸圧着端子と絶縁被覆付き圧着端子があります。

丸形と先開形の裸端子と絶縁被覆付き端子

丸形と先開形のそれぞれの裸圧着端子と絶縁被覆付き圧着端子。

まず、絶縁被覆付きは、単線には使用できません。単線には裸端子を選んでください。

次に、絶縁被覆付きのラインナップは、0.3,0.5,1.25,2,3.5,5.5mm2です。5.5mm2より大きい場合は裸端子を選ぶことになります。

標準品は、1.25,2,5.5mm2で、それ以外は入手しにくいかもしれません。

被覆の色と材質、そして形状を選びます。

A. 絶縁被覆の色

バレルサイズごとの絶縁被覆の標準色.

0.3 0.5 1.25 2 3.5 5.5

これらは、あくまでも標準色ですから、ほかの色も存在します。ただし、入手性は悪くなります。

B. 絶縁被覆の材質

被覆の材質は、ポリ塩化ビニル (PVC),ナイロン (PA),ポリカーボネート (PC) があります。それぞれの特徴は以下のとおりです。

絶縁被覆の材質とその特徴.

塩ビ ナイロン PC 裸端子 (参考)
耐熱温度 75℃ 105℃ 125℃ 電線の耐熱温度による
ハロゲンフリー
定格電圧 (交流) 300V (ボルト) 300V 600V 電線の定格電圧による
定格電流 電線の定格電流による

この中で、塩ビ製がもっとも入手しやすいです。

C. 絶縁被覆の形状

絶縁被覆の形状は、主に “直管形” と “拡管 (かくかん) 形” があります。

絶縁被覆の形状

左が直管形、右が拡管形。

最近は拡管形が主流です。

また、被覆の内側に銅管が入ったタイプもあります。

  • 丸形と先開形にそれぞれ絶縁被覆付きがある
  • 絶縁被覆付きは、主に1.25〜5.5mm2
  • 標準色,塩ビ被覆,拡管形が入手しやすい

丸形端子と先開形端子の選び方は以上です。目的の端子は見つかりましたか。

端子選びは複雑でめんどくさいですが、この方法で調べた端子をホームセンターで見つけたときは、“おお!これが私の求めていた端子なのか” となります。シンデレラの王子様の気分ですよ。

ということで、次回は棒形端子と平形端子です。しばしお付き合いを。

圧着端子の選び方 (棒形・平形)

閲覧ありがとうございました。

    2022/09/10
  • 内部リンクを追加
関連記事
にほんブログ村 その他生活ブログ 一人暮らし貧乏・生活苦へ

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

しゅう

Author:しゅう
1991年北海道三笠市生まれ。プロフィール

全記事表示リンク