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ポータブル電源の選び方 (計算)


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ポータブル電源を選ぶお話の続きです。

『ポータブル電源の選び方 (計算を除く)』

私の心の中の会計検査院が、「お前、そんな高ぇの無駄だろ! リタイアしねぇのか?」と言うので、言い訳の計算用紙を用意しました。

ちょっとクドい記事ですが、後悔しないために、真面目に計算します。


別紙1『蓄電池の容量の条件に関する計算用紙』

1. 容量の条件

1.1 選定の方針

私が使用している無線LAN機器 (Speed Wi-Fi HOME L02) の仕様を確認し、想定される使用の方法における消費電力を計算します。

また、連続で使用する時間を想定し、消費電力量を計算します。

必要なバッテリー容量は、コンバーターの効率 (μ = 0.8) を考慮し算出した電力量とします。

1.2 対象の機器の概要

私が使用している無線LAN機器の外観を図1-1、機器の概要を表1-1に示します。

Speed Wi-Fi HOME L02
図1-1 無線LAN機器の外観
表1-1 無線LAN機器の仕様
定格電圧 (V) 12
定格電流 (A) 2
最大接続台数 Wi-Fi (2.4GHz帯):20台
Wi-Fi (5GHz帯):20台
有線LAN:2台

1.3 想定する使用の方法における消費電力量および、その確保に必要なバッテリーの容量

無線LAN機器に対して42台の通信機器などを接続し、連続で24時間の通信をおこなう場合を想定します。

この場合、無線LAN機器の定格電圧 (V (ボルト) ) と定格電流 (A (アンペア) ) より、消費電力 (W (ワット) ) は次のように求まります.

12 × 2 = 24 [W] ……(1-1)

また、24時間で機器が消費する電力量 (Wh (ワット時) ) は.

24 × 24 = 576 [Wh] ……(1-2)

ここで、コンバーターの変換時の効率として0.8を考慮し、上記の電力量を確保するために必要なバッテリーの容量を計算します.

576 ÷ 0.8 = 720 [Wh] ……(1-3)


非常にクドいお話でしたが、要するに、私は、720Wh以上のバッテリー容量があるポータブル電源をほしがっているということです。

上の計算は、コンバーターを用いて電圧を変換する場合なので、変換の効率は0.8 (80%) でした。

仮に、インバーター (100V出力) と、無線LAN機器のACアダプターを組み合わせて使う場合は、もっと効率が悪くなります。

せっかくなので、これも計算しましょう。

機器の消費電力量は、上と同じ576Whです。

インバーターの効率を0.8 (80%)、ACアダプターの効率を0.85 (85%) とすると。

576 ÷ 0.8 ÷ 0.85 = 847 [Wh] ……(1)

ということで、同じ使い方でも、847Whのバッテリー容量が必要とわかります。

次は、ソーラーパネルでポータブル電源を充電するときのお話です。またクドい計算用紙が出てきます。


別紙2『太陽電池による充電に関する計算用紙』

2 能力の条件

2.1 選定の方針

使用を想定しているソーラーパネルの各パラメーター (公称最大出力,最大動作電圧,最大動作電流,開放電圧,短絡電流) を確認し、複数のソーラーパネルを組み合わせて使用した場合に得られる電圧および、電流を計算します。

ポータブル電源に充電する場合の、ポータブル電源に必要な能力を確認します。

また、日平均の充電量 (Wh) についても計算します。

なお、屋内での使用を想定しているため、影の影響および、時間の短縮を考慮します。影の影響として屋内影係数 (Kn = 0.5)、時間の短縮として屋内時間係数 (Tn = 0.5) をそれぞれ設定し計算します。

2.2 対象の機器の概要

私が使用を想定しているソーラーパネルの外観を図2-1、各パラメーターの概要を表2-1に示します。

なお、ソーラーパネルの各パラメーターは、製品により異なるため、ここでは、1つの製品を代表として選定します。

N50WTA
図1-1 ソーラーパネルの外観
表2-1 ソーラーパネルの仕様
公称最大出力 (W) 50
最大動作電圧 (V) 18.2
最大動作電流 (A) 2.75
開放電圧 (V) 22.5
短絡電流 (A) 3.03

2.3 想定する使用の方法における電力および、充電に必要なポータブル電源の能力

『1.2 対象の機器の概要』に示したソーラーパネルの組み合わせとして、3枚を並列にする回路を想定しています。

電圧は、組み合わせたソーラーパネルの端子間の電圧が開放電圧と等しくなるので、選定に用いる電圧は22.5Vとします。

電流は、組み合わせたソーラーパネルの最大動作電流の合計となるので、次のように算出されます。

2.75 × 3 = 8.25 [A] ……(2-1)

したがって、選定に用いる電流は、8.25Aとします。

2.4 電力量

測定の標準の状態であるAM1.5,25℃,1,000W/m2の条件において、公称最大出力の50Wを確保できると仮定し、最大の電力を計算します。

最大の電力は、組み合わせたソーラーパネルの合計となるので.

50 × 3 = 150 [W] ……(2-2)

また、1日間の最大の電力量は、日平均日照時間が一般的に3時間とされるので.

150 × 3 = 450 [Wh] ……(2-3)

ここで、屋内影係数を考慮し.

450 × 0.5 = 225 [Wh] ……(2-4)

さらに、屋内時間係数を考慮することにより.

225 × 0.5 = 112.5 [Wh] ……(2-5)

充電の効率は、ポータブル電源の充電の方式として最大電力点追従制御 (MPPT) を想定しているので、0.9と仮定します。

実際にバッテリーが受け取る電力量は.

112.5 × 0.9 = 101.25 [Wh] ……(2-6)


上のクドいお話をまとめると。ソーラーパネルでの充電に必要な条件は。

  • 充電回路の耐電圧:22V以上
  • 許容電流:8.25A以上
  • 1日に充電できる平均の電力量:101Wh

とりあえず、私の要望は出そろったので、あとは値段ですね。

閲覧ありがとうございました。

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プロフィール

しゅう

Author:しゅう
1991年北海道三笠市生まれ。プロフィール

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